校長アン。

赤毛のアン 2
アンは2年間、教師生活をしていましたが、大学で学ぶ決心をしました。
アヴォンリーを離れての大学生活をいつも見守っているのは、やはり大学に進んだギルバートです。

グリン・ゲイブルズは、にぎやかになりました。
マリラが遠縁のふたごの子デイビーとドーラを引き取って育てることにしたし、レイチェル・リンドもこの家で暮らすことにしたからです。
アンが3年間、いちばんお世話になった下宿先のレベッカ・デュー。召使いではなく侍女です。
この家をきりもりする45才の家事の達人。

結婚の準備のため、家族の待つ家、グリン・ゲイブルズに帰った。というところから第6巻「アンの夢の家」が始まります。

結婚式当日もギルバートは不安です。自分はアンにふさわしいか、幸せにできるだろうか。
でも、腕にバラを抱えたアンが、ギルバートに手を差し伸べた瞬間、不安は消え、ふたりで幸福になる確信を得ました。そしてアンの美しさ、気高さに改めて心をうばわれました。

サマーサイド中学校の副校長をクリスマス休暇にアヴォンリーのアンの家「グリン・ゲイブルズ」に誘い出すというアンの計画は成功しました。結果、副校長キャサリンとはお互いに理解し合えました。ちょっとした誤解があったのです。アンが問題解決のため費やすエネルギーは凄まじいものがあります。

キャサリンとアンの家族とのふれ合いについて書かれた40ページにわたるこの章には愛が溢れています。

アンを抱く両親。
アンの美しい赤毛は父ゆずりでした。
充実した大学生活を送るアン。休日にはアヴォンリーに帰り、マリラのお手伝いや、ふたごのお世話をするのがなにより楽しみです。

アンたちの深い愛に包まれ、充実した日々を過ごすデイビーとドーラ。

将来、デイビーは若くして結婚、妻ミリーと温かい家庭を築き、グリン・ゲイブルズでずっとマリラたちと暮らします。

アンの一番の親友、ダイアナ・バーリー。牧場主のフレッドと結婚することになりました。
アンとは木立の間からお互いの窓辺の灯りを点滅させて暗号を送り合ってきましたが、それも間もなくできなくなります。
マリラの灰色で単調な生活に、色彩と暖かさと輝きをたずさえアンがやってきた。あれから9年。自分の本当の人生はアンの出現によって始まったとさえ思えるマリラです。
そのアンが明日の晩、帰って来る・・・編み物も手につきません。
そして、予定より一日早く帰ったアンに生まれて初めて自制を失ったマリラは「アン!」と絶叫して花もろとも胸に抱き寄せ…「アンの愛情第22章より」
アンの大学生活で最も記念すべき出来事は、いく度も夢に抱いた生家を訪ねあてたことです。
しかも、アンが空想していたとおりの家でした。
今はアン一家をよく知る人が住人で、押入れに残っていた小さな包みを保管してくれていたのです。それは僅かの間、留守にしていた父ウォルターと、若い母バーサが交わした手紙でした。

乳児アンの美点をあげた、最後の手紙と思えるものを読んだとき両親ははっきりと実在の人となり、もうアンは孤児ではありませんでした。

素直でやさしい女の子ドーラ。巻き毛が自慢。
悪戯ばかりして、みんなを困らせるのに、どこか人を引き付ける不思議な魅力をもつ男の子デイビー。
3年後、アンはいよいよ医師となったギルバートと結婚します。サマーサイドの人々ともお別れの時がきました。
下宿先の食事は、一週間、アンの好物が続いて、いっそう別れ難く、毎年、夏にはここを訪れようと決心するアンです。

別れを惜しむレベッカ・デューの意外な行動が切ない5巻の最終ページです。

果樹園で行われたすばらしい結婚式の様子は、アンの教え子、ポールが綴り、のちに詩集として出版され、高い評価を得ました。


その日のうちに、フォア・ウインズ港の美しい湾の見える新居へと旅立ったアンとギルバート。グリン・ゲイブルズを14年間満たしてくれたアンを、馬車が見えなくなるまで、手を振って見送るマリラが悲しい6巻の第4章です。


副校長、
キャサリン・ブルック。

anne
アンは無事、大学を卒業。文学士という肩書きがつきました。

赤毛のアン第5巻「アンの愛情」は、全編、サマーサイド中学校校長となったアンが、医科大で学ぶ婚約者ギルバートに宛てた手紙で成り立っています。

日々のエピソードなどをアン流に事細かにギルバートに書きます。文末に「最愛なるギルバートへ」「永久にあなたのアンより」「あなたのしもべ、アン」などと書くことも忘れません。